けーな

gifted/ギフテッドのけーなのレビュー・感想・評価

gifted/ギフテッド(2017年製作の映画)
4.6
ギフテッドとは、先天的に、並外れた知的能力を持っている人のことを言う。この映画は、7歳のギフテッドである少女と、彼女を育てている叔父の物語。

とても良かった。こういう天才の子供の話、けっこう好きかも。しかも、この天才児の役を演じたマッケナ・グレイスが、とにかく巧くて、とても可愛いくて、すごいのである。天才児ゆえの小生意気さと、一方で、子供らしい面もちゃんと持っている、それら両方の雰囲気を見事に演じていて脱帽だった。表情作りがとても巧みで、素晴らしかった。ジャケット写真で、向こうからこちらを見ている表情、これも、なかなかいい。「アイ・トーニャ 史上最大のスキャンダル」で、トーニャ・ハーディングを演じていたのも、彼女だったのか。

生まれてすぐに亡くなった母親に変わって、その弟である叔父のフランクがメアリーを育てていたのだが、普通の子供のように、友達を作って普通に暮らして欲しいと願うフランクと、ギフテッドに向いた英才教育を受けさせたいと願う祖母イブリンが、対立し、養育権をめぐる裁判で争うことになる。

小さな子供には、稀有な才能を伸ばすことより普通に幸せであって欲しいと願うフランクの親心、よく分かるなあと思った。かたや、祖母イブリンの狂信的な様子には、唖然としたが、ギフテッドの子供を持つと、あのようになってしまうのかもしれないなとも思ったりする。しかし、裁判で争う2人が、親子だというのが悲しい。

メアリーの母親が弟に託していたことが明らかになるストーリー展開が、なかなか秀逸だ。細かいシーンも、とても良く、例えば、模型を壊された友達を褒めて拍手するところや、ラストで、大学での講義を受けた後、地元の小学校へ行って、友達と普通に遊ぶところ、そこも、とてもいい。

メアリーの天才ぶりに驚くだけでなく、ほっこりしたり、涙したりするハートウォーミングな映画だ。
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