Yoshishun

与えられた時間のYoshishunのレビュー・感想・評価

与えられた時間(2015年製作の映画)
4.5
"借りられた"時間から、"与えられた"時間へ・・・


ピクサーのアニメーターが作品の合間に5年のも月日を懸けて製作した短編アニメーション。「アニメは子どもが観るもの」という固定観念を見事に打ち砕き、絶望やトラウマをテーマにした大人のための作品です。

ある1人の警官が崖にやって来た。
その場所は、最後に愛する父と共にいた場所。
そして、愛する父を殺してしまった場所。
己の命をもって償うため、身投げしようとするが……

あの時、ああしなければ……

過去に犯した罪は決して拭えない。
死んだ父の為に生きてた時間も、父の分から"借りてきた"ようなもの。
"借りた"ものは"返す"。
罪の重さ、命の重さ、絶望感、トラウマ……
心に抱える闇を払うには"死ぬ"しかないのか……?


しかし、彼は、その場所で、あるものを見つけた。


そして、…………


かつてない程心を掻き乱され、果てには圧倒的感動が待ち受けている。
あまり知られていないのが悔やまれますが、この作品は今年度の映画賞を騒がせることは間違いないでしょう。

このレビューを読んでくださった方には、すぐにでも観て欲しい短編。

傑作です。
Yoshishun

Yoshishun