イチロヲ

トルコ風呂(秘)外伝 尼僧極楽のイチロヲのレビュー・感想・評価

4.5
芸者時代の忌々しい過去を背負っている尼僧(丘奈保美)が、純朴な童貞少年(信太且久)との交流を通して、愛欲の世界を探求していく。昭和24年の新潟を舞台に、尼僧と少年の交流を描いている、日活ロマンポルノ。

「艶笑喜劇、童貞少年記、少年視点の愛憎劇」で構成されている物語。自らの娼婦性に忌まわしさを感じている尼僧と、彼女の娼婦性に魅入られた少年の、両者の人生模様が描かれる。なお、丘奈保美のスキンヘッドは本物のもの(東映以来、3年ぶりの剃髪)。

冒頭部に登場する喜劇パート「尼寺トルコ」が抱腹絶倒。在籍嬢が尼僧のコスプレをしており、源氏名が戒名になっている。おまけに店内BGMは般若心経。「もしも、尼さんのトルコ風呂があったら」というドリフのコントのようで笑いが止まらなくなる。

中盤部になると、シリアス路線の人情恋愛劇に転調。「女の聖性と娼婦性」のシーソーゲームに取り込まれていく少年の悲痛な叫び。村長の娘(神章子)の「しょったれこき!」が、罵られフェチにはたまらないものがある。
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