YokoGoto

ユリゴコロのYokoGotoのレビュー・感想・評価

ユリゴコロ(2017年製作の映画)
3.3
<肝心な所は、すべて偶然というシナリオが強引>

沼田まほかるさんのミステリ小説を映画化した本作。どこまで原作に忠実なのかは分かりませんが、全体的には、イベントが断続的に続くので、最後まで飽きずに観ることができました。

前半は、完全にサスペンス調で展開するのですが、後半は物語の様相が、180度変わります。しかしながら、前半のサスペンスをうまく引き継ぎながら進んでいくので、まとまりは良いと良いと思いました。

しかしながら、シナリオが強引すぎます。
肝心な部分は、すべて「偶然」でやり過ごしてしまうと、折角のリアリティが否定されるようです。2時間ドラマなら良いのですが、映画にする場合は、もう少し納得できる理由がないと、気持ちの反対側から冷めていくのです。

強引な部分は複数箇所。物語の根幹に関わる部分なので、致命的だと感じました。

キャストについては、さほどの不満はありませんが、最近は松坂桃李さんを起用した映画が多すぎて、新鮮味を感じなくなってしまいました。それなりに役柄をこなすので不満はありませんが、物語への没入感がイマイチです。他にも良い役者が沢山いると思うのですが、興行を考えての事でしょうか?

中でも、佐津川愛美さんは、非常に良かったです。
途中まで、彼女だと気づきませんでした。「雰囲気がいいなぁ」と演技をみていたのですが、ハッと途中で気づきました。佐津川愛美さんは、演じられる役柄の幅が広いのが良いと思います。

ヒューマンサスペンスとしては、飽きずにみられるものの、やはり強引なシナリオ部分が、最後まで引っかかります。すみません。m(_ _)m
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