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性輪廻 死にたい女の一のレビュー・感想・評価

性輪廻 死にたい女(1971年製作の映画)
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冒頭、褌に鉢巻姿をした楯の会と思われる男たちが全裸で寝かせたひとりの女を次々と抱いてはカメラに駆け寄ってくるという笑っちゃうようなイメージがパートカラーで。三島由紀夫が自決してすぐそれをモチーフに脚本を書き始め、事件が起こった11月25日から4日後くらいには撮影を始めて12月にはもう上映していたというから驚きの瞬発力である。主人公の若い男は死に損なった楯の会のメンバーで、そこへ10年前心中に失敗したやや年増の男女が絡む2組4人のじっとりなメロドラマ。広がる雪景色がクラシカルな雰囲気を湛えていてすごく良い。それでいて、これだけ死に囚われている映画なのにシニカルに幕を引くから拍子が抜ける。急にロックが流れ出し、若いカップルがさっぱりした様子で車を飛ばすエンディング。急に突き放してくるかんじがむしろ痛快。ピンク女優第一号といわれる香取環がやっぱりステキだったなー。
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