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新仁義なき戦い 組長の首のABBAッキオのレビュー・感想・評価

新仁義なき戦い 組長の首(1975年製作の映画)
3.0
 1975年東映。「仁義なき」シリーズから7作目、「新」となって2作目で初めて広島を離れ、北九州の昭和40年代を舞台とした話。組長(西村晃)の娘(梶芽衣子)の婿(山崎努)に言い含められて敵対勢力の幹部を射殺した男(菅原文太)が、出所してみたら婿はヤク中に落ちぶれて相手にされず、成田三樹夫ら幹部間の抗争に巻き込まれて、という話。
 ヤクザ抗争場面は多いが、ドラマとしてのストーリー性は完全に失い、登場人物の性格描写が薄っぺらになってしまった。名優続出なのに、どうも伝わるものがない。菅原もこの作品ではカネにうるさいヤクザ者に過ぎない。BGMもついにシリーズテーマ曲は流れず、銃器による抗争場面の演出もちゃちい。
 中で、ウルトラセブンのアンヌ隊員のひし美ゆり子が複数の男と関係をもつ愛人役で出ている。本人の回想だと、セブンの時には役者としてやる気が欠けていて、終了後はしばらくセブンは黒歴史で別の役に挑戦していた、とあるがその中で本作が最も熱演だろう。それに免じてやや甘めの評価。
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