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アウトレイジ 最終章のMoviePANDAのレビュー・感想・評価

アウトレイジ 最終章(2017年製作の映画)
3.6
『 フィナーレ - f i n a l e - 』

一作目が“終わりの始まり”を描いた抗争編だとしたら、二作目は“ザ・リベンジ”とでも言うべき逆襲編。最終章と銘打たれた今作は、まさしく“文字通り”の完結編でした。

前2作を劇場で観た者としては、当然今回も劇場で観ようとは決めてました。ただ、次から次へ死ぬシリーズなもんで、せっかくの魅力あるキャラの命が続くとは限らないw 『ビヨンド』公開時は予告を見て大層興奮したのですが、前述の事もあってか今作の予告には心踊らず… とはいえ、ゆうべ2作連続で観て心を盛り上げ、臨んで参りましたm(_ _)m

時の経過をいやがおうにも感じさせる現在。大友は“ある意味”静かに暮らしてます。でもまあやはり、大友は大友ではあるのですが… そんな中、彼の今のテリトリーでちょっとした揉め事が起きます。それをきっかけに三度(みたび)絡み合う運命。それはヤクザ稼業だからこそ抗えない呪縛のようなもの。事態は山王会と花菱の抗争に留まらず、韓国マフィアの張一派をも巻き込んだ思惑の探り合い合戦に!一作目では筋を通す為だった抗争も、ここまでくると最早保身と権力争いの様相。そんな中、変わらずにぶれないひとりの男、大友。

一作目の怒号の応酬や泥沼劇、二作目における関東vs関西の“怒”迫力対決や復讐譚としての面白さは鳴りを潜め、この最終章のメイン料理はどちらかというと花菱の内輪揉め。この最終章の時点で山王会は大きく花菱と関わっており、さらには張一派も巻き込まれているので、その点原点回帰ともとれる腹の探り合いも描かれはしますが、一作目の時の様にそれに大友が翻弄される感が何分薄い。その点で、何とも大友の存在感が途中まで希薄であり、そこが今作の評価の分かれ目になるかもしれません。

その代わりという事なのかどうかは分かりませんが、今作ではあるお方が大活躍!一作目ではあのお方の鶴の一声、二作目ではヤクザよりたちの悪いあいつの一挙手一投足が狂言回し的役割を担ってましたが、今作ではこのお方なのですね😁前作ではいまいち怖さが感じられない気がしてたのに、この最終章では凄みをまして、一気に存在感がアップ⤴️あと、白竜は出番がグッと増えてとにかく渋カッコいい✨その他新キャストの面々もキャラ立ってて中々魅力的。特に大杉漣のちょっと情けない元証券マン組長と、変態やくざさんピエール瀧はナイスでした😆👍逆に大森南朋は、バディとしては中野英雄が演じた木村には到底及びませんでした。原田泰造は『ミンボーの女』におけるギバちゃん位贅沢な使い方でしたね😅

「ヤクザにも守んなければいけない道理があるんだよ。」

これは『ビヨンド』の時に、大友が片岡に放った一言🔫。大友については、この言葉に尽きるでしょうね。他の面々が保身に躍起になる中、彼はぶれません。仁義を重んじ、貫き通す。一作目が強烈だった故、そのノリを期待すると期待値に届かず終いと感じる方もいるでしょう。しかし、これは文字通りの最終章。彼なりの決着、そして、最後の花道。濃いメンバーによる“やあ公”演技がまたまた観れただけでも、ボクは満足出来ました😃✌️

追伸:塩見三省さんは、脳出血という命に関わる大病を経ての復活❗️明らかにほっそりとし、やや後遺症を感じる演技ではあったものの、このキャラでの堂々のスクリーン復帰に心から拍手を贈りたいです(*’ω’ノノ゙☆
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