幕のリア

アウトレイジ 最終章の幕のリアのレビュー・感想・評価

アウトレイジ 最終章(2017年製作の映画)
2.2
主要人物の老化が進み、呂律の回らなさや滑舌の悪さが酷い。
ドスを効かせた脅しも精一杯発声のテクニックで頑張っている感強く、見ていて痛々しい。
ビヨンドの塩見三省はヤクザ映画史に残る最高のルックスと恫喝が素晴らしかったので、大病を患われたのが本当に残念でならない。

ピエール瀧を始めとしたニューカマーにも特筆すべき所無く、花菱勢の関西弁は京都出身の岸部一徳以外全滅で学芸会さながら。

丁々発止のやりとりやアイディアに満ちたオリジナルホールドも無く、見せ場無し。

見所が西田敏行の幾何学的な顔面の皺と岸部一徳の極限まで肥大化した涙袋とはね。
何らかの不具合を起こしたレプリカントのような造形美に充ちていた。

松重豊の活躍に期待したのだがそれも無く、退屈極まりないイジメや内輪喧嘩に終始。

老いる者への共感と矜持に溢れた作品で、次作では同じテーマ性でたけし作品らしいヒューマンドラマを見てみたいと思った。

タイトルの出し方はファースト同様だが更に進化。
全くブレないカメラ。
どうやって撮ったのか教えて欲しい!

2017劇場鑑賞92本目
幕のリア

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