グラッデン

アウトレイジ 最終章のグラッデンのレビュー・感想・評価

アウトレイジ 最終章(2017年製作の映画)
3.8
「漢のロマン」詰まった黒服+黒塗りの高級車が勢揃いする会合シーンでは無駄にテンションを上げていくのが本作の嗜みだと勝手に解釈。

というのも、近年の日本映画に登場するヤンキーがそうであるように、本シリーズにおけるヤクザが追求するのは作品世界の中における作り込みであると考えているからです。もちろん、下敷きにある本物の存在があることは承知しておりますが(汗)

そうした認識から、珍しく鑑賞中に周囲の反応が気になりました。笑い声が全然聞こえなかったからです。

キャスト陣の重みのある演技を土台とするシリアスな絵の作りをしているのはたしかなのですが、諸所の発言や行動は完全にコメディではないかと。怖い顔でバカなことを全力で。過去の監督作品ではあまり記憶にはない、北野武監督とビートたけしさんの2つの顔を強く意識しておりました。

また、監督自身が前作公開時に述べていたのですが、本シリーズに限っては台詞に説明を多めにしておりましたが、今回の最終章はその傾向は感じつつも従来の行間を読ませるアプローチも垣間見れたかもしれない。

個人的に独特な「間」の描き方が好きなので、3作品の中では一番好きかもしれないです。次作は、従前のスタイルに立ち返った作品を見たいなと彼の死を思いながら感じたり。