次は岸部一徳3部作だコノヤロー！
裏社会を描きながらも、現代、表社会の縮図そのもの。政治でも企業でも学校でも横行していることは、まるでヤクザかそれ以上だわ。
金と権力と保身のために脚を引っ張り合う蟻地獄的暴力世界に、やはり暴力で落とし前をつけていく痛快さ。
ツービート漫才の毒ガスとも揶揄された鋭いボケの速射砲のように機関銃の弾丸を浴びせ、嘲笑うかのように始末していく様は、見ててニヤニヤしてしまう(暴力麻痺状態…笑)
しかし、前作までと比べれば、かなりドライなつくりでして、、、
前2作のヒリヒリしたトーンから、かつてのソナチネやHANA-BIを彷彿とさせるカットや色合いが目立つ。
南の海、死に浮かぶ太刀魚、冒頭から北野監督独特の死のイメージで染め上げていく。個人的には好き…。
今回、死のイメージに拍車をかけているのが、たけし自身含め俳優陣の衰えだ。語り口、動き、どれをとっても老いと死のイメージは拭えないなーと。
が、それを逆手にとって、この日本という国の不気味さ、未来を予見しているようでもある。この点は、前作の龍三〜では笑いに換えて描いてたから、やはり、北野監督本人も「あの時」とは違う段階での死生観というものを感じているのだろうと思われる。
もう、西田敏行扮する西野なんて、妖怪の域だもの…笑
これらの老いや、それを凌駕する若手の勢いというものが今回感じられなかったのは少々残念だが、物語の落としどころとしては、合点がいくものだった。
とりあえず、役とか関係なく一番悪いのは、岸部一徳なんじゃないかと…(失礼)笑
#アウトレイジ #岸部一徳
