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アウトレイジ 最終章の小のレビュー・感想・評価

アウトレイジ 最終章(2017年製作の映画)
4.1
『アウトレイジ』シリーズどころか、北野武監督作を1本も見たことがなかったのでスルーしようかと思っていたけれど、映画館の無料招待券があったため鑑賞。これがなかなか面白かった。

何かの映画のトークショー(監督がコメディアンの『ゲット・アウト』だったかな)で恐怖と笑いは表裏一体みたいな話を聞いた記憶があるけれど、この作品でもそういうことを感じた。

笑いという感情は緊張からの緩和だというよなことを何かの本で読んだ気がする。例えば、シリアスな空気の中で、誰かがオナラをしたりすると、笑いが起きる。人を笑わそうとするととりあえず裸になる。笑いにもいろいろあるだろうけれど、突き詰めれば緊張を緩和することにつながる気がする。

一方、恐怖は緊張が破られることで生じる感情のように思う。黙って睨んでいた親分にいきなりドスのきいた声で怒鳴られると恐い。原理的には笑いと同じで、もし親分が怒鳴る代わりにオナラをしたら笑っちゃうのではないか、と。

ということでバイオレンス映画やホラー映画はコメディアンの監督と相性がよいのかもしれない。本作は、こじれながらどんどん広がっていく感じの面白いストーリーを、緊張から恐怖のシーンを次々につなげて見せていく。

だから緊張感が途切れず退屈することがない。漫才を見ているのに近い感じがする、といういうのは、考えすぎかしら。他の北野武監督作を見てみないとダメですね、こりゃ。

●物語(50%×4.0):2.00
・シリーズを知らなくても面白かった。

●演技、演出(30%×4.5):1.35
・とりあえず漫才師出身の映画監督ならでは、という感じがした。役者さんたちは皆それっぽい。多分、楽しんで演じてるよね。

●画、音、音楽(20%×3.5):0.70
・雰囲気バッチリ。
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