円柱野郎

クローバーフィールド・パラドックスの円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

地球のエネルギー不足を解決するために宇宙ステーションでの実験を試みる科学者たち。
しかしその実験は思いもよらぬ事象の引き金となる。

1・2作目の前日譚…と捉える向きもある様だけど、俺はそうは思わなかったかな。
それぞれが作品としては独立していて、地球が未知の存在に襲われるという現象が話のどこかでつながっているだけでパラレルワールドのようなものなんだと思う。
そういう意味では、本作は「別次元」と称してそのパラレルワールドの存在を示唆してはいるのだが。

でも正直言うと、作品としては宇宙船を舞台にした密室SFサスペンスの亜流でしかないよね。
序盤の不可思議な事象に見舞われるあたりはなかなかスリリングで面白かったけれど。
壁に埋もれた人間などは「フィラデルフィア計画」の都市伝説からの引用かな、空間跳躍をイメージしやすいネタなので悪くない。
千切れた腕が「アダムス・ファミリー」のハンドのように自律行動しているのは…嫌いじゃないけどさすがにギャグにしか見えないなあw
しかし終盤の展開は自己犠牲や裏切り流れが少々平凡だったのがちょっと残念ではある。
2017年に公開された同ジャンルの佳作だった「ライフ」と比べても、映画としては少し見劣りする感じ。

結局のところ、本作も「10 クローバーフィールド・レーン」と同じく元々別の映画用の脚本だったんじゃないかと感じるような内容。
マーケティングとしては「クローバーフィールド」というタイトルを付けるだけで、観客が勝手に繋がりを感じてしまう心理をうまく使っていて感心はしたけどね。
地上が巨大生物に襲撃されていると匂わせる描写自体は、まるで取って付けたかのようだった。

ラストのアレは…ファンサービスみたいなものかな?
円柱野郎

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