コロッケもごば

荊棘の秘密のコロッケもごばのレビュー・感想・評価

荊棘の秘密(2016年製作の映画)
4.3
このスコアは、ソン・イエジンの演技力にぜんぶ。
パク・チャヌクの脚本力じゃないんだ。
ぜんぶ、ソン・イエジンさんのもの。

ソン・イエジン演じる母親。
その娘への、狂気にも似た愛情に。
声を失うほどの。


全体から言えば、
脚本的にはわかりにくいところありあり。

だれが犯人かはなんとなく分かっていたし、
どこでネタばれするんだろうって思ってた。

何がってもう、ネタばらし方が下手。
警察がとっくに犯人を検挙できる幼稚な殺し方なのに、ぜんぜん母親のほうが早く犯人と対峙することに成功している。違和感どどどー。

後半が冗長すぎるのよね。
でも、あれしかなかったのかな。
娘への回想場面が多すぎる。なのに、娘をどう描きたかったのかがまとまってなかった。何度も見直さないと分からない作品ってどうなのかな。パク・チャヌクさん弾けすぎてたかも。

でも、それでもこれだけの見応えはやっぱりソン・イエジンさんの迫力ある演技力。彼女ってやっぱりすごいとしか言えない。
今までも、かわいい役、乙女はもちろん、汚い役も、エロも、鬼までも演じきって来た。

今回は夜叉だったね。
子を思う母親の狂気。兆した精神の淵に彼女はいつも自分を追い込む。ハンヒョジュさんとは違う高嶺にいる。
韓国のもうひとつの宝だ。