まさなつ

検事フリッツ・バウアー ナチスを追い詰めた男のまさなつのレビュー・感想・評価

3.5
ナチスの犯罪やアイヒマン裁判に関連する作品が増えました。それも力作が多い。

ハンナ・アーレントはアイヒマンのことを「悪の凡庸さ」と評しました。自分で深く考えず与えらた職務をやり続ける怖さ。誰もがアイヒマンになりうることを示唆して、同胞のユダヤ人からも非難を受けました。
今、この関連が多いというのは、現在の世界が、この危険性を孕んでいるということへの警鐘でしょうか、、。

戦後のドイツには、ナチス協力者がまだ政権内にも残っていました。当時アメリカはナチス残党より、対ソ連に関心が深く、国民も過去を忘れたがってる中、自国でナチスの犯罪を裁くことに奔走した検事の話です。当時のドイツの政情や国際情勢が分かり、政治サスペンスとして、また検事の人間性も描かれていて、興味深いです。

ただ、この映画も関連作品を観ていた方が、面白さが増します。というか、これ単独で観ると物足りなく感じます。終わり方もちょっとあっけない感じがしました。
まさなつ

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