まるちよ

拷問男のまるちよのレビュー・感想・評価

拷問男(2012年製作の映画)
2.8
シングルファザーでサーファーのお父さんが娘を殺した犯人を拷問する話。
拷問シーンは結構ゴア度高いんだけど、なによりも主人公デレクを演じるビル・ベイカーの演技が素晴らしい。
「お前悪いことしたんだからしょうがねえよな!なっ!」というノリで強烈な拷問をする。
事前に拷問の知識を綿密に集めたり、専用の器具を加工したりと強烈な執念描写も、物語上抜け殻状態になっていたところから比較すると鬼気迫る感じがして良い。

娘がある日突然何者かに誘拐されて無残に殺されてしまう、という事件から始まるんだけどそれが実は仲良くしていた弟の犯行だった。
というところまでが結構長い。
長いからこそ、後半の拷問シーンがより強烈なインパクトになるから終わってみればこのバランスで良いと感じた。

弟はせっかくデレクが斡旋したサーフブランドショップの仕事もサボりがちだし、実は幼女殺人鬼だったからコテンパンな目にあっても特に同情心は芽生えない。
その代わりに、デレクがどんどん不憫になっていく。
結局弟のトミーを拷問しても娘は帰ってこない、という事実は途中何度も目の前に姿を現す娘の幻でなんとなく告げられている気がする。
最後の最後、警察の車に乗る直前に娘の幻に愛しているというシーンが、トミーを殺さずに司法に任せる選択肢を選んだデレクということも相まってまだ救いのある話で良かった。

おふざけ要素やホラー要素はあんまり無い。
エンドロールで流れる子供を殺された親が復讐をするニュースを色々読み上げる演出がこの映画のテーマであり、復讐はどこかしこで行われてるんだよ、という犯罪者への啓蒙なんだと思う。

人にはおすすめできないけど、なんだか悲しくなる佳作だった。

◆良いところ
- デレクがいい人
- 親友のおっさんもめちゃいい人
- 弟相手に情け容赦なしの拷問シーン
- 警察が来るものの、脱出劇にもならない非情っぷり

◆悪いところ
- 拷問シーンまでが長い
- 家族のリアクションとかがリアルで心痛む