ハレルヤ

私はあなたのニグロではないのハレルヤのレビュー・感想・評価

3.6
公民権運動家であり作家でもあるジェームズ・ボールドウィンの未完成に終わっていた原稿をベースに、アメリカの人種差別の歴史について彼なりのアプローチで捉えるドキュメンタリー。

マルコムXやキング牧師、メドガー・エヴァースといった志半ばで暗殺された公民権運動家の3人の軌跡を中心に描かれる作品。当然ですがドキュメンタリーなのであまり映画という感じではありません。

1時間半に及ぶ内容で個人的には昔のハリウッド映画で秘かに描かれた白人と黒人の立ち位置が興味深かったです。サイレント映画期からその描写は既に始まっていて、映画のとあるシーンでも白人と黒人では思うことが正反対という構図も見てて驚きました。

「キング・コング」「駅馬車」「夜の大捜査線」「招かれざる客」というクラシック名作から比較的最近の映画なら「エレファント」も。何気無しに見ていた映画でもそんな見方もあるというのは目から鱗でしたし、映画を通じて観客の深層心理の植え付けも意外で恐ろしい事実。

ナレーションはサミュエル・L・ジャクソン。彼の低く重みのある声のお陰もあってか、最後まで集中を切らさずに鑑賞できました。
ハレルヤ

ハレルヤ