柊

私はあなたのニグロではないの柊のレビュー・感想・評価

4.0
今年観ておくべき一本に間違いない。
1960年代に30代で暗殺された3人の公民権運動の指導者の盟友である、ボールドウィンのインタビューを軸にしたドキュメンタリー。
マルコムXもキング牧師も(不勉強でもう一人はよく知らなかった)同じ時代に生き、それぞれが闘い、奇しくも同年齢で暗殺されている。アメリカの歴史は黒人の歴史でもあり、それは決して美しいものではない。と言う言葉がとても重くて、どんなに平等と白人がテレビショーで語っても、60代と今がそれ程変わってはいない事を私達は知る。自由の国アメリカが世界で一番ひどく長く黒人蔑視が変わらない国である事にも気づかされる。それは何故なのか?アメリカと言う国が出来上がっていく過程において、黒人が不可欠であったからなのだろう。何故その事を認めないのか?甚だ疑問だ。そこが根底では歴史のないアメリカの最大の自信の無さなのではないかなと思う。
どんな帝国も必ず終焉はやってくる。否応無く時代はうつっていくはずだ。それを見届けられるかはわからない。
柊