マルコムXやマーティン・ルーサー・キングと同じ時代を生きた黒人作家ジェイムズ・ボールドウィン。
彼の未完の原稿をもとに作られたドキュメンタリー。
日本でも多少なりとも差別はあれど、やはり黒人差別ほど根強いものではない。
だから人種差別ものは酷いとは思いつつも、やはりどこか対岸の火事に感じてしまう。
でもアジアや黄色人種である日本人も欧米では差別の対象だったりする訳で、留学してた時に稀に聞こえてくる「イエロー」だの「ジャップ」はやはり辛いものがあった。
でもこの映画を観ると、差別の根源ともいえるものが少しだけ見えてくる。
1番印象に残った言葉。
「黒人の憎しみの根源は怒り
白人の憎しみの根源は恐怖」
今の地位や立場、富を奪われるのではないかという恐怖。
つまりは自己防衛本能のようなもの。
それを知ったからといって差別を肯定もしないし、中には純粋なレイシストがいて本当に人種選別思想を持ってる輩もいるんだろう。
でもなんのことは無い、差別をする人の殆どが怖かったり脅威を感じただけの人々。
ただ、それを本物のレイシスト達が煽り、利用してきた過去がある。
例えばKKK団やヒトラーなどなど。
そして逆に黒人たちを扇動してきた人達もいる訳で、それがより一層問題を複雑にしている。
この映画のタイトルの意味。
それを知ることが大切。
敵を知り、己を知る。
差別の根源をきちんと理解しないことには解決も難しい。