ひろ

散歩する侵略者のひろのレビュー・感想・評価

散歩する侵略者(2017年製作の映画)
3.4
『トウキョウソナタ』と『贖罪』で全ての才能を使い果たしたのか、2013年からは才能の出涸らしで撮ったような作品ばかりだったが、今回はまあまあ面白い。
人間が持つ「概念」を、ふてぶてしさとデタラメさ全開で奪っていく宇宙人に興奮する。
長澤まさみがいつも通り素晴らしく、役柄としては常に怒ってるのだけれど、ムキ出しの演技をしない。相変わらず彼女が出演してる作品は全て褒めざるを得ない程の魅力を持ってる。
ただ、黒沢清の過去作の焼き増し感は拭えない。また、本作は129分だが、もし105分だったら傑作になった気がする。黒沢清に120分以上を与えてはならない。

東出昌大の佇まいの違和感は、黒沢清作品ではハマるが、他の作品ではハマらない。
小泉今日子を1シーン(3カット)だけで使うのはもったいない。
そして、児嶋一哉はやっぱり凄い。ただ、彼に「自分と他人の概念」パートを任せるのは少しマズいだろう。「お前は誰だ?」の問いに「児嶋だよ!」と返答してくれることを期待してしまうのだから。
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