見習いサンタ

散歩する侵略者の見習いサンタのレビュー・感想・評価

散歩する侵略者(2017年製作の映画)
4.0
冒頭のシーンからのオープニングクレジット。
やられました!!

血と制服と音楽、んでもって後ろでトラックがドーン!!

こんなワクワクするオープニングクレジットは久しぶりです。

ストーリーとしては、地球侵略を目指す宇宙人に乗っ取られた夫とその妻。
それと、宇宙人に出会ったジャーナリスト桜井を中心に話が進んでいきます。

宇宙人の目的は侵略のために人類の"概念"を集めること。
これは、公式サイトにも載ってます。

ここまでは、『美しい星』にも近い、SF作品かな、と思ってたのですが…。

観終わってわかりました。
これは俺の話でした。

概念を奪う宇宙人という、舞台的な設定がこれほどまでに、映画にフィットして、そして観客のハートに響いてくるとは。

この何が起こってもおかしくない、弱いもの達がさらに弱いものを叩く世の中で、
俺に大事なのものはなんなのか、その概念がなくなったらどうなるのか…。

最後のシーンを観終わったあとに、「なんか、俺ヤバい」と思わされる作品でした。

もちろん、松田龍平、長澤まさみ、長谷川博己(さすが文学座!!)のコミカルでそれでいて、芯の通った演技は最高にでした。舞台的でいて映画的。

もちろん、黒沢清監督ならではの、空間、光の演出も最高です、今回のポイントは『×』ですかね。
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