2015年に公開された「岸辺の旅」では、行方不明だった夫がある日突然帰って来て、
「俺、もう死んでるんだ。」
だったけど、今作は、
「俺、宇宙人なんだ。」
というワケで、謎の宇宙人に身体を乗っ取られたという夫(松田龍平)と、それに翻弄される妻(長澤まさみ)のお話と、
殺人事件を取材するうちに、宇宙人と知り合い、共に行動するジャーナリスト(長谷川博己)のお話で主に構成される。
人間が考える『概念』をその思考から盗み取り侵略に利用するというメカニズムはよく分からんが、
決して恐ろしげでもなく、普通の姿でカジュアルに侵略の準備をしてゆく様と、徐々に日常が変わってゆく様は、不気味で滑稽だ。
主人公夫婦は、夫が身体を乗っ取られる前には既に夫の浮気により、信頼関係が破綻していたようだが、
以前の夫はどんな人間だったのだろうか。
...と、気になった。
奇妙なお話だが、切ない余韻を残す、自分的には好みド真ん中でした。