変そうだってのはわかってたけど、やっぱり最近の黒沢清の映画で一番変な作品だった
最初寄生獣みたく物騒な侵略者なのかと不安になったけど、最初に出てきた奴の描写がやばかっただけでその後スプラッタ描写は控えめに進んで、反対に侵略者の能力である概念を奪って自分のものにするという面白性質に重きを置いて進行していったのが面白く、その描写はどことなくCUREを想起するものだったのが原点回帰的でちょっと嬉しかった
カップルの仲が侵略によって結果的に良好になる展開と侵略者と人間の友情を育むロードムービー的な展開が平行して描かれる様も特徴的で、カーペンターの変化球的な面白さが感じられたのも好印象だった
終盤で愛についての問題が提示されたのには失笑してしまったけど、侵略者の能力によって対照的な存在となった主人公カップルの対峙で締めていたのもまた味わい深かった
そして何より仮面ライダー鎧武に出演したとき共演者へ参考のためまどマギのDVDを貸したという噂があるくらいアニメファンでシンパシーを覚えてしまった高杉真宙が存在感を発揮していたことと、そしてそのまどマギの音楽にも参加していて自分の一番好きなヴァイオリニストである今野均の先輩である桑野聖のストリングスが久々に聴けたことが、個人的に特に嬉しい点であった
