コーヒーの味がわかる男

散歩する侵略者のコーヒーの味がわかる男のレビュー・感想・評価

散歩する侵略者(2017年製作の映画)
4.0
聖書コリントの手紙13章が出てくる映画は間違いなく面白い。(愛のむき出し、しか知らないけど)

地球を侵略するために宇宙人がとる行動は人間の概念を奪うこと。
映画にはいろいろな概念が出てくる。
自由、所有、家族、仕事、愛など。
概念がわからない宇宙人は人間とコミュニケーションをとる。そして、途中からハッとさせられる。
概念の共有を無意識にしてるせいで理解が自己的な判断になりやすく、相手のことをわかった気でいること。
概念のせいでこうあるべき論を抱えてしまい苦しんでいる人間がいること。
しかし、マイナスの側面だけでなく、概念によって、理解を容易にしたり、幸せになることも描かれている。
つまり、自分で考えて、決断し、一生懸命がんばる、それが重要な気がした。

不穏でいびつで違和感がある映画だけど、何処かユーモアで哲学的なテーマを出してくれる黒沢清映画が好きであることを確信した。
そして、劇団イキウメをチェックしたくなった。