Hiro

散歩する侵略者のHiroのレビュー・感想・評価

散歩する侵略者(2017年製作の映画)
2.8
松田龍平の茫洋としたキャラが宇宙人役にぴったり。
あきら(恒松祐里)も転移すれば延命出来るなら、すれば良いのに!??

下手に概念に囚われなけば、執着が無くなり、争いも無くなり
「人類はもっと平和に暮らせますよ」とのメッセージか
「愛は地球を救う」

他のユーザーの感想・評価

聖書コリントの手紙13章が出てくる映画は間違いなく面白い。(愛のむき出し、しか知らないけど)

地球を侵略するために宇宙人がとる行動は人間の概念を奪うこと。
映画にはいろいろな概念が出てくる。
自由、所有、家族、仕事、愛など。
概念がわからない宇宙人は人間とコミュニケーションをとる。そして、途中からハッとさせられる。
概念の共有を無意識にしてるせいで理解が自己的な判断になりやすく、相手のことをわかった気でいること。
概念のせいでこうあるべき論を抱えてしまい苦しんでいる人間がいること。
しかし、マイナスの側面だけでなく、概念によって、理解を容易にしたり、幸せになることも描かれている。
つまり、自分で考えて、決断し、一生懸命がんばる、それが重要な気がした。

不穏でいびつで違和感がある映画だけど、何処かユーモアで哲学的なテーマを出してくれる黒沢清映画が好きであることを確信した。
そして、劇団イキウメをチェックしたくなった。
宇宙人とのコミュニケーション加減が絶妙。
そのコミュニケーションの不成立と成立のバランス自体がテーマになっている恐ろしい作品。
うまくいかなくなった夫婦はコミュニケーションを失うことで、なぜか繋がりを取り戻していく。
それにしても満島真之介はとんでもない。最初誰かわからなかったくらいだし、後半の変わりようも素晴らしい。
黒川

黒川の感想・評価

4.3

このレビューはネタバレを含みます

原作未読だったけど思っていた以上に良かった!原作も読みたい。ネタバレ気味に鑑賞してしまったので前知識なしに観たかった…

黒沢清版「遊星からの物体X」とでも言うべきか。ただしその侵略者は物体ではなく概念的なものであり、また我々の持つ概念を奪い、しかし人類と同化するわけではなく情報を収集し、その残りは置き去りにする。
言語が通じるのは個々人が共通の概念を持ち得るからである、侵略者はその概念を直接やり取りするらしい。言語というコミュニケーションツールに裏打ちされた概念に我々は依存している。そして上っ面だけで心理を嘯く。概念を持たないものと持つ者が入れ替わるその瞬間に流す涙は欠落を憂うものなのか。鳴海の愛を真治が受け継ぐ流れが美しく、とりあえず長澤まさみ最高。松田龍平の飄々とした風貌と演技も絶妙で気持ちの悪いのが段々と侵略者からシンちゃんになっていくのが切ない。こんな清節炸裂の映像でこんな美しい物語やっちゃうのすごい。ダゲレオタイプの女も妻と恋人の亡霊という概念に囚われていて、他の清作品はどんななんだろ。原作読みたい。
うさ

うさの感想・評価

3.6
トボけた松田龍平、爆撃機に対して銃で応戦するあたりシュールで面白い。なんといっても長澤まさみが綺麗で良かった作品

おっ、センター南が映ってるやん(´∀`)
まちだ

まちだの感想・評価

4.0
レビューできないままどんどん映画がたまっていく…


概念を奪う時の会話のおかしみというか、思ったより、ブラックコメディ要素があって飽きずに楽しめた。

概念を奪われることが必ずしも悲劇にならない、という皮肉もあったり。

終盤はおそらくみんなが予想するであろう方向へ行くんだけど、

松田龍平が長澤まさみに決定的な”ある行為”をしたあとの、”あのセリフ”がメロドラマ展開に絶妙な毒をブレンドしてくれて、かなり好きだった。なんかいつのまにか泣いてた。突き放されてるんだか、抱きしめられてるんだか。


侵略者ボーイが車の反対側に行って影がガッとかかるとことか、ああクロキヨ映画みてる!って喜びを噛み締めながら、すごくたのしめました。

色々超越してんのに通信はアナログな方法かーい、とかツッコミ所はあるかもだけど、そんなことは気にしない、気にならない作品でした。
龍

龍の感想・評価

3.6
2017.09.29 @新宿ピカデリー
2021.10.13
「概念」の採集?搾取?面白いなあ。
「愛」はそんなにやっかいなものでしたか。にしても、自分たちの「概念」を遥かに超えた事象はもう滑稽だったりしますね。何度もクスクスした。ルール付けできない。
俳優部の皆さんがとても誠実で素晴らしかったです。
まぁ

まぁの感想・評価

4.7
すごくすごく良かった…
黒沢清監督の映画は3作目でそんなに見たことがないけれど、今回ので好きな監督として名前をあげたい!

勝手なイメージでなんとなく分かりにくそうな映画好きは好きだけどそれ以外はよくわからないタイプの映画かなと思っていたけど全くそんなことなくてストーリーもわかりやすいし普通に画面が派手なので飽きない。

あとはキャストがとても豪華で、一気に出てくるわけではなく小出しにずっと出てくるんだけど、出演シーンが短くてもこうやって知っている俳優陣ばかりだと単純に楽しいなぁと思った!
有名どころ集めました!!!みたいな押し付けがましさもなく、みんなそれぞれの役割を全うしていてよかったです。

あとはやっぱり松田龍平の宇宙人がとてもかわいくてなぜか侵略を応援したくなる笑

でもなんといっても一番よかったのは長澤まさみかな。最初はただぷんぷんしてたのが徐々に変わってしまった夫に愛情を覚えていって再び恋に落ちたような愛おしさで溢れていく様子が素晴らしくて、見ている方も松田龍平のことをどんどん好きになっていった。
概念の云々は多分全て理解出来たわけではなかったかもしれないけど、ラブストーリーとしてとても楽しめたし、長澤まさみがと松田龍平のホテルでのシーンは思わず涙が溢れました。
泣くような作品だとは思わなかったので自分でもびっくりしたけれど周りも泣いている人がいたのでやっぱり長澤まさみの演技がすごく良かったんだと思う。


印象的な音楽や全体的にグレーっぽい色味も含めて雰囲気も好きでした。


これから黒沢清監督の映画色々見てみようと思います!
ずっと不気味。不自然。
ぬるっとしてて。
しれっとしてて。

この世界から抜け出せずに、
映画館から出た街や人々は
とっても違和感があった。

すこし夢をみていたみたいな
不思議な気持ちになった。


''概念''か ———

時々邪魔で、時々大切。


ずっと観たかったから幸せ。
あきら

あきらの感想・評価

4.7
愛について語りたい映画でも、SF作品でもないんだろうなぁ。
突っ込みどころは満載でしたが、SF映画じゃないと思えば、それはそれで。
雰囲気が好きな映画。きっと、数年後にふと見返したくなる、そんな作品。
松田龍平だから、この作品のもつ不安定で不穏な雰囲気がなりたってるんだろうなぁ。

そして、ちょい出の俳優陣が、なんと味のある役回りであることか。東出くんの神父が良き良き。展開的には、教会のシーンが1番ドキドキしました。

そして、前敦!めちゃ可愛いかったぁ。
「散歩する侵略者」の感想・評価を全て見る

Hiroさんが書いた他の作品のレビュー

ユリゴコロ(2017年製作の映画)

3.5

過去と現代の連携が見事でした。
只、細谷(木村多江)はどうやってヤクザ情報を入手していたのだろう...

ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)

3.5

ベイビーのドライブ・テクニックが凄い。
逃し屋映画と言えば、ジェイソン・ステイサムの
『トランスポーター』シリーズがあるが、
管理人世代は、ウォルター・ヒル監督の『ザ・ドライバー』(1978年)
主演
>>続きを読む

三度目の殺人(2017年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

接見の度に証言を覆す役所広司がキム・ユンソクばりに怪演
・ 保険金殺人を疑われた奥さんは、食品偽装の隠蔽どころではないでしょう
・ 篠原検事は上官から何と言われて裁判を続行する気になったのでしょう
 
>>続きを読む

新感染 ファイナル・エクスプレス(2016年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

マ・ドンソクは大活躍後、感染してしまう儲け役だが
感染したマ・ドンソクを止められる者はいないだろう(笑)

憎々しい役がぴったりのキム・ウィソンだが、
感染後の演技は今一つでしたね。