Davy

散歩する侵略者のDavyのレビュー・感想・評価

散歩する侵略者(2017年製作の映画)
3.3
松田龍平が好きだったことと、劇団イキウメが気になって観に行った。

個人的にはラストの病院のくだりが震災を想起させて、しかも人のパワーで立て直せる、みたいな流れを感じてしまってそこは余り好きではなかった。
宇宙人による物理的な侵略と、概念が奪われるという精神的侵略が同時に起きているということはどういうことなのか。

松田龍平が久しぶりにヒゲを剃った役でビジュアル的にも、頼りない感じなのも全てひっくるめて好きな役柄。今回長澤まさみを初めて美しい人だな、と感じた。頭のいい人だ。
ハセヒロはスポットの時は爆発シーンと相まってシンゴジラみがあるんじゃないかと思いきや全然顔も違う。体がボロボロになって起き上がるシーンが最高に気持ち悪い。(褒めてる)
あの宇宙人の男の子が果たしてハセヒロに乗り移ったのか否か、は断定されるようなシーンはないが、あの起き上がるシーンはより鑑賞者を混乱させる。個人的には、宇宙人は乗りうつらなかったが、ハセヒロが自分から精神的に追想した、というのがしっくりくるかも。なりきった、というか。

演劇の方は見ていないから断定は出来ないが、演劇の方があう台本であるような気がする。演劇は一つの舞台上で多くの見立ての中で話が展開する。奪われる概念にしろ、宇宙人の侵略にしろ、映画の中で、「ない」ことが目立ちすぎた気がした。
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