Shintaro

ミッドナイト・エクスプレスのShintaroのレビュー・感想・評価

4.5
あ〜いいね、素晴らしいよ この”深夜特急”。

なんかパッケージの第一印象と勝手な想像が働き、当初は00年代以降の作品だと勘違いしていた。見た感じオシャレな雰囲気なんで、クール系な映画かと思いきや、予想の1ミリもかすめなかった。
古いし、監獄だし、ゲイだし、トリップだし、何じゃこりゃ⁉︎な作品。
…ただ、今回それらは全部いい方向に働いたのだった!

まずこの映画、音楽がジョルジオモロダーって人らしい。僕の中では、『メトロポリス』のリミックス版を作った人として有名だが、そのピコピコ系、テクノミュージックは最高にカッコイイ!
リズム感と舞台とのギャップ感がキャラクターのメンタル面を映すいい働きをしている。

主人公は何を血迷ったか、彼女とのトルコ旅行中にヤクの売人から買ったブツを自国へ運ぼうとしてとっ捕まる。フルチンにされたり持ち物をゴミ扱いされたりする。(なんか逮捕されてからの持ち物検査が、ただのストレス解消にしか見えん)
まぁ素人が金欲しさにヤクに手を付け捕まり、それだけなら良かったものを主人公は連行中に逃走を図る。…バカだなー。
再度とっ捕まり、監獄直行。
刑期4年を食らう。”マジか…”な表情。
遺跡みてーな監獄では、同じくヤク密輸で捕まった外人が何人かいた。そいつらと何とか獄中生活を過ごし、淡々と刑期の4年を耐え忍ぶ。
そして、あと53日だ…。あと53日で国に帰れる、両親に会える、彼女に会える。
久しぶりに面会の機会が来る。領事館の役員らしい。
”裁判のやり直しで君に終身刑が求刑されている。どうやらトルコ側は君を麻薬密売撲滅の前例に仕立て上げたいようだ”
”…バカか⁉︎俺は4年で罪を償ったぞ!今更何を裁こうっていうんだよ!”
法廷で言い渡された刑期はプラス30年。''あと53日”を待ちわびていた主人公には余りに冷たい宣告だった。
この場での最後の被告の言葉に観る人は息を飲むだろう…。
その後、彼は最後の希望に尽力する。 ”脱獄” だ……。
出てくる俳優さんがほとんど主演賞、助演賞並みの痛快な演技をする。もうたまらないほどこれがいい!
オススメは、監獄のチクリ魔”リフキ”と 獄中でヤク中の”マックス”です。
話を冷静に見れば、ヤク密輸に失敗した主人公の自業自得の物語です。しかも、かなりの脚色でトルコのイメージが最悪になっております。これに嫌気がさす人は、かなりの最初の段階で映画がつまらなく思えるのは無理ない。
だが、それだけが全てじゃない良さが演技にある! 脚本のエネルギーにある!
そこに興味を持ってもらえればアカデミーを総ナメにした今作に納得がいくはず。

人の感情の起伏を堪能したい方は是非ご覧ください。