OneEyedJOKER

ミッドナイト・エクスプレスのOneEyedJOKERのレビュー・感想・評価

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イスタンブールの刑務所から脱走するアメリカ人青年の実話を基にした作品。

犯罪者といっても、身体中に大麻の包みを貼り付けて 空港で捕まる間抜けな若者だ。

『ミッドナイト・エクスプレス(深夜急行)に乗る』というのは、刑務所からの脱走を意味する隠語である。

設定は重く、デートで観る様な作品では決して無い。

本作、あまりにもトルコの扱い方が酷いということで、地上波での放送が打ち切りになったという逸話がある。

この作品、あまりにも事実誤認が目立つ作品で、1つ挙げるなら 多少専門的になってしまうが大麻と麻薬を混同している点。

空港のタラップで主人公が逮捕されたときに腹に巻いていたものを『麻薬』と思い込んでいるようだが、あれは『大麻』であって、多くの国では麻薬を取り締まる法律から『大麻』を除外している。

日本でも同様で、大麻取締法は初犯の場合は執行猶予付が付くことが多いが、麻薬取締法は まず執行猶予はつかない。
そもそも主人公が隠し持っているものを『麻薬』と断罪する時点で、無知を表している。

そもそも主人公が逮捕された1970年は、アメリカの多くの州では大麻の単純所持では逮捕されなかったはず。
法律では禁止されていたが、法の執行をしなかったという意味。

とまあ、感想から話がそれてしまったが
それだけバックボーンの甘い構成だったということ。
事実(原作)との相違点も多い。

しかしまぁ、駄作かというとそうでもなかったとは思える。
そういう余計な知識が邪魔をしなければ
見応えの十分ある作品ではないだろうか。

最後に 本作を観て「でも、これって自業自得じゃね?」という感想を持った人は多いんだろうが、まさにその感想こそが正しいのかもしれないw
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