シヴェーダ

クレヨンしんちゃん 襲来!!宇宙人シリリのシヴェーダのネタバレレビュー・内容・結末

3.1

このレビューはネタバレを含みます

面白かった。けれど、非常に心に突き刺さるメッセージ性がある映画だった。
一番辛く感じたのはお父さんとの再会からの秘密が明かされるシーン。
親なのに、子供のことを受け止めてない。人とは違う個性を尊重しない。見捨てる。そして、自分の都合のいい時にだけ利用する。子供は親の「モノ」なのか?親ならば、人とは違う個性を認めて、擁護してあげるべきなんじゃないか。何とも言えない悔しさと怒りが込み上がった。
「大人は汚い、大人が悪い」とシリリのお父さんは言ったけど、それはただの押し付けで、彼自身もその存在じゃないか。分かり合おうとしない。身近にいる子供のことすら分からない。悲しくて仕方がなかった。
最後にシリリのお母さんが迎えにきたが、あれでハッピーエンドだとは到底思えない。お母さんがお父さんにちゃんと言えていたなら、シリリのコンプレックスをそれで良いと肯定してくれていたならば、こんなことにならなかったはずだろう。シリリは一人だけ疎外された中にまた戻されたのだ。
唯一の希望はシリリがしんのすけたちと出会ったこと。シリリが惑星に戻っても、自己肯定の道に進めた可能性はある。

どうか、この世界にシリリのような自己否定に悩まされる子供が少なくなりますように。
シヴェーダ

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