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8年越しの花嫁 奇跡の実話のdeenityのレビュー・感想・評価

8年越しの花嫁 奇跡の実話(2017年製作の映画)
2.5
注目していた作品ではなかったのですが、見た人に涙必至と勧められて見に行くことを決意。どんな内容かは見る前から予想はつきます。でも本当に前情報一切なしだったので驚いたのはこれが実話を元にしている作品だということ。だからストーリーの時間が中途半端な時期だったのですね。納得です。

ただ、はっきり言って実話だからより感動するとかそういうプラスアルファは自分は特にないので、単純なストーリー展開から言わせてもらえば、やっぱ綺麗事かな、って思えてしまう。

この作品は突然ヒロインの土屋太鳳が病に倒れ、意識を失い、途中意識が戻っても元の状態には戻らない。しかも8年も。単純計算で日数に改めると2920日。これがどれだけの年月か、この期間思い続けることがどれだけ大変なことか、それを甘く見過ぎではないだろうか。
いや、実話なんだから事実としてあったことで、それはその人の本当に愛の形であって一切否定もしないしむしろ尊敬する。でも自分が言いたいのはそういうことじゃなくて、きっとその長い年月の間には彼女を思って苦しい日々があったろう。もし話せたら、もし手を握ってくれたら、もし笑顔を見せてくれたら。そんな思いがあったはずで、他のカップルとかを見て羨ましく思ったり、どうして俺だけこんな思いをしているんだって思ったりすることがあったはずだ。
もし実話を元にするならば、その辛い日々だって表現するべきだと思う。綺麗事で8年間思い続けるなんてことはできないだろう。辛さ歯痒さによる葛藤を乗り越えての結末だから感動を生むはずだ。向こうの親とのやり取りはあったものの、そこを描いてくれないのは感情移入が全然できなかった。

とは言え目が覚めて記憶が戻ってきてからの感情はわからんでもない。今まで寝たきりだったならば一方通行の愛、というかダメで元々の思いなわけだからまだ楽なはず。それが手の届く距離まで戻ってきたのに待ち受けていた現実への落胆はかなりの物だろう。
はっきり言ってあそこで身を引く決断をするような人は嫌いだ。悲劇のヒロインみたいに思えてくるから。だけどそれだけ思い続けてきた人の足枷になるくらいなら、という思いは優しさ溢れる尚志なら理解できる。

ただ麻衣のキャラクターなら「あなた、誰?」とか平気で言っちゃうんじゃないっすかね?笑

とりあえず良い話ではあって、8年思い続けられた根拠となるような病気の前のシーンとかをもっと丁寧に描いてくれたらもっと良かったけど、とにかく実話なら尚更一つの愛の話として素敵だなと思えるから普通の評価をつけさせてもらいます。