たつかわ

8年越しの花嫁 奇跡の実話のたつかわのレビュー・感想・評価

8年越しの花嫁 奇跡の実話(2017年製作の映画)
4.0
おにいちゃんのはなび

タイトル(特に副題)だけで躊躇してしまう作品ではあるが、
素晴らしい作品でした。

土屋は発病前、発病後など5パターンの表情の変化(特殊メイク含む)が見事でした。特に発病前と発病から数年後の表情は、見た目は全く一緒なのだが、全くの別人のように演じていて素晴らしかった。

佐藤と土屋が後半に、以前より心の距離を広がってしまうが、ある道具を使うことで詰める演出が良かった。2010年、高良健吾主演「おにいちゃんのはなび」も同じ道具を使った感動的な演出があるが、今作はその時以上でした。

8年の時間経過をデジタル時計の表示を使った表現と、その時代の歌がテレビから流れる表現が二つあったが、前者は必要ないし、バックの春夏秋冬をまるまるCGで表現しているのがダサすぎた。一方、後者は良かった。といっても最後に近所の子供が佐藤に「ありがとう、おじさん」というやり取りがあったが、これだけで十分だと思った。

佐藤はまるで聖人君子のように役を演じているものの、週刊誌報道の影響で役と本人との差があるという思い込みがあり、完全に集中してみることができなかった。これは日本の恋愛映画を観ない理由の一つであり、逆に全く誰だか知らない台湾の恋愛映画を見てしまう理由でもある。

小室哲哉の引退報道により、佐藤を小室哲哉に重ね合わせて見てしまった。これは蛇足か。

おススメです。
たつかわ

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