あのラスト、拍手しました。タイトルがでる直前です。いろいろいいところはあるけど、そのシーンあるだけでだいぶ違う。本編はよくある病気ものという先入観をまず捨てましょう。そして画面を観る。時を可視化することが繰り返し試みられており、植物や雲、織り込まれる年末の歌番組の映像や東日本大震災の報道映像。恋人が目覚めるのを待ちながら撮影された数々の動画。「8年越し」というのは「8年」というのとは違うのであって、その時間は最後の結婚式の場面に向かって賭けられた時間であり、想いの込められた時間である。そんな想い、愛が最後のタイトルがでる前の、ほんの少しのあいだ、そっともうひとつの時間を開いて見せてくれたのだと思う。あと個人的には農村歌舞伎を撮ってくれたのがとても嬉しいです。いい夜だなあ。