公開当時完全スルーを決め込んでいたんですが（難病お涙頂戴な邦画はまず観る事は無いのです）後に耳にした良作という評判と、監督が瀬々 敬久さんという事で、
いつか観てみねばなと思っていたところ
たまたまWOWOWで放送されていたので
視聴。
いやあ、とても良い映画じゃないでしょうか。
まず、演出もホンもとても品がある。
泣かせようとする台詞や演出を極力控えて
（BGMだけはね〜、もう少し控えめだったら尚良かったですけど）
日々のエピソードの丹念な積み重ねから
ラストに自然に高まりを持っていき、
ラストシーンも泣かせではなく2人の笑顔で締めるのも余計心に響く作り。
日常のふとした風景から思い出の場所まで
印象に残るよう丁寧に撮られていて、
それらが登場人物の心情に重なるように
観せていくのも見事な監督の手腕。
病気にまつわる諸々も綺麗事では終わらず誠実に見せてくれました。
意識不明時や発作時の土屋太鳳の演技や表情にはギョッとしたもんな、、、。
役者陣も素晴らしくて。
薬師丸ひろ子と自転車泥棒じゃなかった
紅麗威甦アンドゴーストバスターズな
（あまちゃんネタwあ、薬師丸さんもあまちゃんですな）杉本哲太の両親役も
味わい深い演技がさすがだし、北村一輝も
いつものギラギラ感無しの気のいい社長役がハマっていてグッド。
ハマケンも良かったなー。
ブライダルコンサルの方の演技も地味に光ってた。
佐藤健。電王のころ、デビュー当時から
上手いし存在感もすごかったけど、
抑えた演技が板についていて、元から
オーバーアクトではない人だけどしみじみ
主人公の一途な気持ちが伝わる名演でした。
何より、土屋太鳳が頑張っていた印象。
身体能力の高さを、寝たきり意識不明という縛りのある状態にもかかわらず活かしていたのが凄い。闘病、リハビリの際にも
遺憾無く発揮されていて、演技は少し
オーバーアクト気味だけど若手女優枠で
考えたら素晴らしいレベル。
昨年見逃した、これまた評価の高い
「累 ―かさね―」観なければ！
「こんな夜更けに〜」でも思いましたが
観てみないとやっぱ分かりませんね〜。
きっと見逃してしまっている良作、
いっぱいあるんだろうな、、、。
