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ターシャ・テューダー 静かな水の物語のmkのレビュー・感想・評価

4.0

インテリアやお庭がとても好みなのもそうなんだけど、それ以上に人生にとって大切なことを教えてくれる素晴らしいドキュメンタリーだった。『八月の鯨』然り、理想的な風景の中でストーリーが進んでいく映画は多くあるけれど、それは映画として美術スタッフやロケハンによって作り込まれているものであって、実際にそのような環境の中で生活を営んでる人がいるという感動も感じられる。

それと共に、この理想的な生活は私には向いてないなとわかったので、私も自分に合うライフスタイルを見つけたいなと強く感じた。
私も1人でゆっくり過ごすのが好きなので、ターシャのようなスローライフに憧れるが、ガーデニングしてる姿を断片的に見て憧れを抱いても、家事はあまり好きではないし、それを毎日やるのかと思うと、やはり私には向いていない。リモートな環境で1人で住むことに対しても、やはり子供や孫がいてこそであるし、絵本作家という天職を持っていたからだなぁと。また、ターシャのスローライフとは、怠惰とは正反対に位置していて、自由である分、常に手を動かし、創作し、人生を積み重ねている。なかなか疲れそうだ、、。
そもそも、映画館へのアクセスや快適なインターネットも私にとっては不可欠なので、やはりターシャのようなスローライフは向いていない。

このドキュメンタリーにおける1番の学びは、「スティルウォーター教」というターシャが作った概念。静かな水のように穏やかに、世界を受け止め、感謝する。そして周りに流されず、自分の速さで進む。自然界の小さな動物たちは、必要なすべてが身の回りにあると知っているから満ち足りている。かたや人間は果てしない欲望で不満を膨らませている。

ターシャの子供たちは、彼女について、「仕事にしても趣味にしても何をして何をしないか、誰と会って誰と会わないか、人生は小さな選択の積み重ねでできている。すべての選択を真剣に行ったから自分の世界が築けた。」と話していた。
彼女自身も「忙しすぎて心が迷子になっていない?豊かな人生を送りたいと思ったら心が求めてるものを心に聞くしかないわ」とドキュメンタリーの最後に話していた。



ターシャ・テューダーの座右の銘をまとめた本、『喜びの泉』にて、モンテーニュの『エセー 孤独について』の一節が引用されていた。

「この世で最も素晴らしいのは、自分は自分のものと知ることである」

この言葉がすごく響いて、最近モンテーニュのエセーを読み始めてるのだけど、結構難しい、、