ちろる

ターシャ・テューダー 静かな水の物語のちろるのレビュー・感想・評価

4.5
「忙しすぎて人生迷路になってない?
人生は短いの。楽しまなくっちゃ」
世界中のガーデナーの憧れであり、スローライフの母と呼ばれた絵本作家ターシャ デューダの終焉までの10年間を映したドキュメンタリー。

静かな水の流れのように周りに流されずにゆっくりとたどり着いた楽園のようなバーモンドのコテージでは、自らで育てた花を摘んで飾ったり、自ら作ったドールハウス遊んだりと、ほぼ手作りのまるで18世紀の農家のような美しい生き方がありました。

ターシャが終焉の日まで幸せな日々を過ごせたのはきっと、自分の心の声を聴きながらいくつもの選択をして進んできたんだなという事が彼女の言葉から伝わってきます。

本当に何もかもがゆっくりなターシャがチャボのチカホミニーや、愛犬のメギーと愉快に会話したり、たまに毒?を吐くターシャが可愛くってクスッとなるし、時折メギーがアニメーションになってコテージを歩く演出も、なんだか童話の世界を散歩した気持ちになって色々と楽しめました。

唯一、欲を言うなら、もっとターシャの衣食住のうちの「食」の部分が知りたかった。
お花が素晴らしいお庭にどれだけ野菜が採れて、感謝祭に食べていたチキンは育てていた鶏を自分たちで捌いたのか、それともスローライフと言えどもある程度の食料はスーパーなどで調達していたのかとか。
きっと、それらまで描くと妙にリアル感増しちゃって作品の雰囲気を損ねる危険性があったからぼんやりとさせたのかもしれないけど、絵本作家やガーデナーとしてだけでなく、料理名人としても名を残す彼女のドキュメンタリーだからこそ、食生活興味ありました。

とはいえ、四季折々のバーモンドの自然の映像や、ターシャを取り巻く温か家族の愛など、忘れかけてた丁寧な生き方は、想いさえあれば今の時代だって大切にしていくことはできるわけで、エンディングの映像で「繋がっていっているんだな」となんだかじんときてしまいました。

そう言う意味でこの作品は私にとって忘れたくない、永久保存版にしたい作品入り。KADOKAWA様、是非ともBlu-ray化お願いします。