Yoshmon

ターシャ・テューダー 静かな水の物語のYoshmonのレビュー・感想・評価

3.6
最近では「スローライフ」という言葉が多く使われるけれど。

「晴耕雨読」。

もしくはこんな四字熟語も彼女のライフスタイルに合ってる良い表現。

そんな言葉で表現できる生き方を実践しているのがターシャ・テューダー。

本作は彼女の生活を四季の移り変わりとともに追っていくドキュメンタリー作品。

晴耕雨読とは書いたけれど彼女の場合は、

晴れたら↓
ガーデニング

雨の日は↓
料理
人形づくり
そして絵本の創作(本業)

作中では彼女の生い立ちも追いながら、彼女の日常を写している。

夫に代わって絵本作家として生計を立て、4人の子供たちを育て上げてきたターシャ。
子供たちが独立してからはコテージにて愛するコーギー犬に囲まれながら料理を楽しみ、絵本の創作に勤しみ、好きな人形を作ったり、庭に種々の美しい花を植えたり。
30年かけて作り上げられたその美しい庭は壮観。

***
彼女のライフスタイルを自分の今のライフスタイルと比較すると、面白い。

毎日混んだ電車で通勤して、
与えられた仕事に追われながら、
夜疲れて帰宅して、
翌朝また会社へ。

働いて、所得を得て、必要なものをお金で買って生活をする。

都内に住んでいると特に人とモノが溢れた環境だけれど、彼女の得ている「豊かさ」がそこにあるかは疑問を抱く。

人は周りに嫌というほどいるのに、なぜか孤独に感じる時が(特に社会人なりたての時は)あった。

欲しい服や家具を買っても買っても何故か満たされない。常に無い物ねだりをする感じ。

一方のターシャは山中のコテージで好きな人、好きな動物に囲まれながら自分のしたいことだけをして、必要なものは買うより自分で一から作る日々。

外資系にいると特に歳をとることに若干焦りを感じることがあるけれど、ターシャにとっては歳を重ねることによって幸せも比例して募っていく。

幸せの定義は人それぞれだけれど、ターシャの生き方は一つの答え。

自分の生きる環境の中から、一歩踏み出すことは勇気がいることだけれど、もっと自分の気持ちに素直になることを大切にしたい。
Yoshmon

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