yammieya

ターシャ・テューダー 静かな水の物語のyammieyaのレビュー・感想・評価

3.5
ずっと観たかった映画。
NHKの特集番組で、草花と農家風コテージのそのあまりにも美しく静かに暮らす彼女のスローライフに憧れてはいたのですが、この映画は彼女の半生を追いつつ、その豊かな人生を知ることが出来て良かったです。
レビューでは、その癒される暮らしぶりの映像で「思わず寝てしまった」という方が多いのですが、本当にワタシもウトウトしそうな癒やしを感じました。Blu-ray化されたら、手元に置いて、一日の終りにぼんやりと毎日眺めたいぐらいです。

すごく美しいライフスタイルなのですが、そこに至るまでには、ターシャの美意識に則ったものすごい回数の取捨選択があったのか、なかったのか…
優しいけれどお金儲けの才能はなかったの、という夫の代わりに、四人の子供を育てつつ、絵本を描き生計を立てて、農園を作り家畜の世話をして…などと、若い頃はものすごくハードで忙しい日々であったこともこの映画で知りました。

「私はスティルウォーター教よ(静かな水のように生きるの)
」という彼女ですが、大きな波のある海というよりは、彼女の庭の奥にある静かに水を湛えている池のような感じなのかしら。
穏やかな風に吹かれ時折静かに水面がキラキラと強い光ではなく静かに光っているイメージです。

「人生は短いから、不幸になってる時間はない。」
とは彼女の言葉ですが、好きなことを何事も全力で楽しみながらやる、ということで、ハッとさせられたフレーズです。
というか、この映画、名言が多いですよね(笑)

美しい自然に囲まれて、手仕事を楽しみ、息子や孫達が時折訪れる、という羨ましいぐらい幸せな美しい晩年はため息が出ます。
スローライフに憧れるすべての女性のポーラー・スター的な存在かもしれませんね(笑)

ところで、余談ですが、お孫さんのお嫁さん(エイミー)がいい感じでターシャの影響を受けたファッションだなぁと思っていたのですが、ターシャの死後に生まれた幼い娘さんたちにも受け継がれているなぁと思いました。
公式サイトを見てみると、彼女はまず夫(ターシャの孫・ウィンズロー)に出会う前に、まずターシャの庭の草取りのアルバイトに来ていたのですね、なるほど納得です(笑)
yammieya

yammieya