MasaichiYaguchi

ライカ/LAIKAのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

ライカ/LAIKA(2017年製作の映画)
3.6
女の子同士の情熱的な恋愛映画というと、第66回カンヌ国際映画祭パルムドールを受賞した「アデル、ブルーは熱い色」を想起する。
「アイコ十六歳」「クレヴァニ、愛のトンネル」の今関あきよし監督が、オール・モスクワ・ロケを敢行して描くのは、大人に脱皮しようとしているロシアと日本の女の子同士の甘くて切ない恋愛劇。
「アデル、ブルーは熱い色」は大胆な性愛描写と、それを演じ切ったレア・セドゥーとアデル・エグザルコプロスが話題になったが、本作では同性愛劇のドロドロとした部分やエロチックさは抑えめで、ある意味ポップな感覚で物語が展開する。
それは、パステルカラーに彩られた映像や、所々に挿入される可愛いアニメーション、そして何と言ってもヒロイン・ライカの存在そのものに表れている。
タイトルの「ライカ」はロシアのスプートニク2号に乗せられたメス犬の名前で、ヒロインはこの犬の名前を自称している。
何故ヒロインが宇宙開発の為に片道切符のロケットに乗せられた犬の名前を自称するのか、物語の進行と共に描かれる彼女の境遇によって朧げながら分かってくる。
友情から愛情へ、心も体も固く結ばれている筈の2人だが、愛すれば愛する程にちょっとしたことで歯車が噛み合わなくなる。
果たして2人の恋は何処に辿り着くのか?
我々が知っているモスクワだけでなく、歴史と現代性が同居するこのロシアの首都の美しさの中で紡がれるこの恋愛劇は夢物語のような儚さがある。