SatoshiFujiwara

MのSatoshiFujiwaraのレビュー・感想・評価

M(1951年製作の映画)
4.0
新文芸坐シネマテーク

冒頭タイトル、登っていくケーブルカーだから言われればそうだとは言えまるで浮遊して行くかのようで一瞬フレーム内の事物がどう収まっているのか測りかねるような不思議な空間設計からいかにもロージー、初手から『召使』を思い出す。吹き抜けでその高低差が生むダイナミズムが直に画面に定着されるブラッドベリービルの素晴らしい使い方、背中にMの烙印を押され逃げる主人公が迷い出る坂なども同様に見事。観光地ではない生身のロサンゼルスが剥き出しで迫って来るところ、場所はニューヨークながらジュールス・ダッシンの『裸の町』を連想させる(あれも「高低差」の作品ではなかったか)。
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