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ほんとにあった!呪いのビデオ23のshxtpieのレビュー・感想・評価

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「とでも、言うのだろうか」がくせになる。

児玉和土の『ほん呪』時代の作品も見てみようかと思って見たものの、ぜんぜんこわくなかった。というか、映っている「幽霊」がちっこすぎて、まったく気づかない。『廃神社』の「老婆」は、さすがにはっきりしすぎていて、気づいたけれど……。

むしろ、こわいのは、前後編にスプリットされて引っ張りまくる『廃神社』にでてくるスタッフたちの顔がやたらと不気味だったことか。児玉と岩澤宏樹の顔がこわい(失礼)。また、『廃神社』ではスタッフたちが『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』的な森へと迷い込んでいって、その中で錯乱状態といえばそうなのかもしれないけれど、ブラックで体育会系ノリのパワハラが展開されて、それもこわい。『廃神社』のインタビュイーたちは、特におっさんが「演技をしない演技」がへたで、かなりクサくて笑える。ただ、行方不明の「老婆」の息子夫婦の火事に遭った廃屋は、やたらとまがまがしい。もっと見せてほしかった(っていうか、東京都なのかよ!)。

それにしても、この「森」への恐怖感というのは原初的なもので、人間の自然そのものへの畏怖なんだろうなと、なんとなく思った。一旦迷いこんでしまうと脱出できなくなる、迷宮としての「森」。その中では、ちっぽけな人間なんて無力なものだ(だからこそ、人間は、自然を支配できるかのように振る舞うようになった)。霊よりもおそろしいのは、むしろ「森」なのかもしれない。

それから、ひとの手によって管理されなくなった神社には霊が集まり放題だという指摘は、ありがちではあるけれど、説得力があってちょっとおもしろい。神社にかぎらず、人間がつくったものなのに人間によって管理されなくなった建造物は、どうしてこうも不気味でおそろしいのか。そのひとつの回答だと思う。

そのほか、『コインランドリー』は、たしかに以前テレビかなにかで見た記憶があった。『文化祭』は、朝鮮学校が舞台というところに「おっ」となった(幽霊の服装や髪型も、なんとなく朝鮮風)。『鉄棒』は、「井の頭公園じゃん!」と笑ってしまった(横田則幸の存在感がすごい)。夜の井の頭公園に取材しているけれど、ただうろうろしているだけで、特に収穫がなさそうなのもウケた。( 0 点)
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