もんてすQ

熱いトタン屋根の猫のもんてすQのレビュー・感想・評価

熱いトタン屋根の猫(1958年製作の映画)
3.4
山崎豊子『女系家族』との類似点が多いように思った

全体を通してのテーマは"嘘"



妻マギー(エリザベス・テイラー)と夫ブリック(ポール・ニューマン)が夫婦間での不和と、夫方の遺産相続問題で泥沼にはまっていく



原作のブリックのセクシュアリティ(ゲイかバイ)が曖昧にされているせいで、若干深読みしないと背景が分かりづらいストーリーとなっている
何か、触れそうで触れないので変な感じ

マギーのヒステリーにはウンザリする一方で、根本的な原因(セックスレス)は大方ブリックにあるから仕方ないと思う

姑からは子作りを急かされ「旦那が不幸なのは嫁の責任」と言われ、義姉からは子供ができない事やらブリックがアル中なこととか持ち出してバカにされるわ、もう橋田壽賀子の世界だった

ラストは一応ハッピーエンド?



ここ、というシーンでのBGMが邪魔臭かったのと、長男の立ち位置が曖昧だったのがマイナス点
ヒール役に徹する鬱陶しい義姉役の演技は良かった



エリザベス・テイラーにとっての『ヴァージニア・ウルフなんか怖くない』への助走となった作品と思う

ポール・ニューマンは透き通った瞳の色だけでなく、横顔のラインが美しかった



「嫌な事を無理強いするんだったら、もう一緒には暮らせない!」
「暮らしてなんか無いわ、同じ檻の中にいるだけよ」
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