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ぼくの名前はズッキーニのGreenTのレビュー・感想・評価

ぼくの名前はズッキーニ(2016年製作の映画)
2.5
背景は2010年のスイス。お絵かきが好きなズッキーニは、夫が愛人の元に去ってしまい、傷心のためアル中になった母親と2人で暮らしている。酔って暴力的になった母親をアクシデントで殺してしまったズッキーニは、孤児院に入れられる。

事故とは言え母親を殺してしまったズッキーニとか、孤児院の子供たちも、母親が国外退去になって置いていかれた少女とか、両親ともドラッグ中毒な男の子とか、性的虐待を受けていた女の子とか、子供たちの設定がめちゃめちゃダークなのですが、設定で「可哀想」というトーンにしておくだけで、ストーリーは結構ありきたりでした。

ズッキーニは、最初はいじめっ子にいじめられるけど、たった一回立ち上がっただけでいじめっ子と親友のようになるし、新しく入ってきた孤児の女の子・カミラと初恋まで経験する。孤児院の人たちはみんないい人だし、みんなで旅行に行けるくらいの資金もある。「アル中DVお母さんが死んでくれて却って人生明るくなったんではないか」という印象。

悲惨な現実を突きつけるような話にする必要もないけど、もうちょっと奥行きのある話にして欲しかった。

しかし65分というこの尺でも制作に2年間かかったらしく、この「ストップモーション・アニメーション」だと、これ以上複雑な話にもできないんだろうなあと思った。

全て手作りだと思われる小さいカバンとかベッドの布団とかめちゃ可愛いんだけど、まあそれほど大騒ぎするほどの作品でもないなあと思った。私は『シュレック』の方が話も面白いし、大人も子供も楽しめて全然優れていると思った。
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