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ぼくの名前はズッキーニのmuniのネタバレレビュー・内容・結末

ぼくの名前はズッキーニ(2016年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

短いあいだに子どもたちの心の動きを追って行く。子どもたちは親に捨てられたり、引き離されてしまったりして孤独を抱えている。そして警察官のおじさんは息子が出て行ってしまって独り身で過ごしている。誰もが少し寂そうな顔をしていた。主人公の母親がアルコール中毒。孤児院?に移って母親が死んでからもビールの空き缶を大事に持っている。母との思い出がそれにしか詰まっていなかったのかもしれない。人は繋がりがないと生きていけない。主人公はその空き缶に繋がり、過去に繋がれていた。それは日常とはかけ離れた日常。彼にとってはそれが普通だった。しかし孤児院に移ってから正常な人間関係を覚えていく。だがその孤児院からも去ることになる。寂しさが漂っているがそれは冬のようなもので人生に必要な寂しさなのだろう。最後の歌も印象的だった。移ろいゆく人生の一部を大切に切り取った作品。
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