シネフィル母ちゃん

ぼくの名前はズッキーニのシネフィル母ちゃんのレビュー・感想・評価

ぼくの名前はズッキーニ(2016年製作の映画)
4.9
まず、ユーロスペースのエレベーターで
「明日はズッキーニとライオンは今夜死ぬを観るんだ」
って恋人に報告してる時に、いきなり話しかけてくださったご年配のマダムにお礼を言いたい!!!
ありがとう!ジュテーム!ありがとう!!

かなりの映画通と思われるマダム、
「ズッキーニは本当に良いわよ。最後はとても泣けるわよ。…あのね、ライオンより良いから」
って教えてくださいまして(さり気なくライオンは今夜死ぬをディスってたのが笑えた)、期待に胸を膨らませ、いざ鑑賞。

結果、「昨日出会ったマダムに会いたいー!!彼女と語り合いたいぃぃぃぃいいいいいい!!!!!!!うぇぇえええええーーーーん!!!」と、咽び泣き。

モンスター級に良かった…。良すぎた。。
泣きながらパンフレットとトートバッグを買った。。

優しい世界と悲しい世界が融合していた。
ピュアな世界がそこにはあった。
残酷なセリフや現実もあったりで、胸が苦しくなる。

主人公のズッキーニはもちろんお気に入りなんだけど、一番のお気に入りは不良のシモン。
あれだけ悪ぶってるんだけど、移動中の車内では指しゃぶりをしていて「やっぱり親の愛が欲しかったんだなぁ」って辛くなった。

ラストのズッキーニとカミーユの展開に
「あ、昨日言っていた泣けるってのはここのシーンことかな」
って、目をうるうるさせながら思ってたんだけど、ラストシーンのあのセリフに涙腺大崩壊。
この映画が本当に伝えたかったことは、このラストシーンなんだと思う。
このための映画だったんじゃないだろうか。

ほっこりしながら映画館を後にするつもりが、彼らの言葉がずっと頭の中をグルグルして苦しくて苦しくて仕方なかった。
もう1度観たいなぁ。