回想シーンでご飯3杯いける

草原に黄色い花を見つけるの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

草原に黄色い花を見つける(2015年製作の映画)
3.3
日本でもっとベトナム映画を観られるようにして欲しい。劇場でも限られた場所と回数しか上映していないし、配信にあがってくる機会も少ない。かつての日本に近い風景と音楽は、どこか懐かしさを感じさせ、魅力溢れる作品が多いのに。

思春期の兄と、とても頭の回転が速い弟。2人が暮らす家に、兄が思いを寄せる近所の少女が、家庭の事情で居候として一緒に暮らす事になる。あっという間に少女と仲良くなってしまう弟に対して、思春期特有のプライドが邪魔してなかなか打ち解けられない兄。'80年代の山村を舞台に、幼い子供達の心模様を描いた、とても美しい作品だ。

基本的には子供の目線で描かれるが、少女の両親がかつて移動サーカスで生計を立てていた事や、山村に伝わる伝承がファンタジックに描写される辺りは、ティム・バートンの「ビッグ・フィッシュ」を思わせる。

兄の不器用さ加減があり得ないレベルで少々イラっと来るが、弟君の健気な演技でぎりぎりのバランスを保っている。