かじられる

夜は短し歩けよ乙女のかじられるのレビュー・感想・評価

夜は短し歩けよ乙女(2017年製作の映画)
4.5
ご縁の糸に導かれ、辿りつくは、ここ京都。

巡り巡るは、マティスさながらの原色、小洒落た役名、言い回し。ファンタジーはそのまま楽しむ王道ひるがえし、3度観るに考えるは、あに図らんや、題名の意味合い。

「黒髪の乙女」は樋口の忠告にも我関せず、夜の世界を飄々と飛び、喜びと出会いの愛しさに花咲かす。その純粋さたるや、一夜に出会いし外道どもの孤独をほぐすに至る。京都を席巻した風邪も乙女の元には訪れず、癒しと慰撫を振るまう姿は触媒の如し。

うら若く、何物にも染まらず、死の予見すらなき、好奇心そのままの乙女。

たとえ一時の猶予に過ぎずとも、彼女の時計だけが遅れんが如く明示されるは、純潔への渇望、聾せんばかりの賛美なり。「先輩」がなかなか乙女に出会えぬはその象徴か。しかれどもエロティックに堕さぬ所以は、はじける娯楽とその遊び心にあり。

「黒髪の乙女」が魑魅魍魎の世界を抜けし時、をかしみだけでは終わらぬ新たな朝が到来す。

美しきかな、他者が介在する朝。

よろしおす。よろしおす。
ほっこりしますわな🌸