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夜は短し歩けよ乙女のninjiroのレビュー・感想・評価

夜は短し歩けよ乙女(2017年製作の映画)
4.3
正直私はその折、元来よりの自己愛と共に湧き出る得体の知れない地熱のように不穏な衝動に促されるまま二条の外堀程度の空間ならば日々怒涛の勢いで積み上がる汚泥の様な情熱で見渡す限り平坦な散歩道に仕立てた上でカモンベイベー洛陽が火達磨になるほど恋したろうかとじわじわと延焼しようとする青い炎にコップ一杯の水を掛けようか引火可能度数を超えたアルコールを煽って呑み込むものか飛沫を上げて心に辿り着く前に道端のパイロンぐらいなら蹴っ飛ばして他にぶつけようのない陰々とした心持ちを鮮やかに散る花に例えるのも無残な心を引っ提げて、黒髪の麗なる乙女よ、息も絶え絶えな私のこの内なる禍々しき想いを叶うまで履き替えぬパンツに託すなら何とする、と問われたならば、存分に、と笑顔で応えてしまうほどの心地良い疲労感と柔らかな人の思念に包まれて幸福な夜明けを迎えつつあった。

夜が明けてしまう。犬矢来が狭い石畳に急速に影を走らせる。花柳の残響の仄かな余韻を水の流れる音が洗うようにまた走る。
夜が明けるまであと数十分。
都合よく積み上げた自分自身が、君の屈託のない笑顔の放物線と交わることは永遠にない。
心は走る。くたくたの身体をぶら下げて、それでもまだ起きていたい。君に会うまで、まだ夜明け前の道を歩いていたい。