村有徳

夜は短し歩けよ乙女の村有徳のネタバレレビュー・内容・結末

夜は短し歩けよ乙女(2017年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

作画やキャラクターデザイン、編集がかわいい。一冊の小説を1.5時間に収めるということで、テンポも良く、原作では完全に分かれているエピソード同士がゆるやかに繋がって、一夜にして起こった出来事となっているのがびっくりした。ひょっとして原作でもそうだったのか!?

ただ、やはり森見登美彦作品の魅力である、独特の文体・言い回しによって創られる世界観を100%アニメで再現するのは難しいと感じた。原作は先輩と黒髪の乙女の二人が語り手となって話が進んでいくのだが、アニメでは時間などの都合上どうしても台詞を削って重要な台詞だけを抽出しなければならない。台詞が少なくなった結果、原作では二人の言葉で紡がれた世界観を映像で補っていく必要があるのだが、そうすると作品全体としての味が変わってくる。個人的には、原作の方が好みの味。なぜなら偏屈王のエピソードは原作の方が好きだし、アニメ版の先輩をお見舞いするときの演出がちょっとわかりづらかったから。
村有徳

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