米林監督の3作目だけど、もう次の劇場長編は厳しいかなという感じが若干。
3作の中ではもっとも広がりや世界観を感じるし、特徴も出ている。背景も綺麗で書き込んでるし、絵も上手。特徴的な画角や特異な動きをする描画もある。主人公のキャラも個性があって愛らしい。すべてのシーンで一番好きな作画は主人公が森で最初にほうきにのってビョンビョン飛び跳ねるシーン。個性的で特徴的でとてもいい。
だけどなんか足りない。なにが足りないか素人だからわからないけど、なにかが足りない。
そこかしこに宮崎駿のジブリの要素があって継承してる部分も多々ある。ああこれもののけのデイダラボッチっぽい。ポニョの波っぽい。千と千尋の湯ばあばっぽい。ハウルの流れ星っぽい。ほんとにいろいろある。ささやかに楽しませてくれる。
でもなんかストーリーに引きが弱い。物事が起こらない。説明が長い。キャラがしゃべり過ぎる。特に声優してる俳優女優を監督がコントロールできてないのか、声が前に前に出てくる。声がキャラを超えてきてわずらわしい。
ほんとうに些細な部分で天才と優秀な人の差はでるんだなぁと思った。嫌いじゃない、でもヒットするには何か足りない。それでも米林監督にもスタジオポノックにも手描き長編アニメにもがんばってほしい。次こそヒットを。
でもフラナガンさんはキャラとして最高。ジブリではあのキャラは作れないだろう。ジブリっぽくない。だからフラナガンさんを生み出しただけでもこの作品の価値はあると思う。フラナガンさんだけのスピンアウト作品みたい！
