ピンクマン

メアリと魔女の花のピンクマンのレビュー・感想・評価

メアリと魔女の花(2017年製作の映画)
2.0
「ジブリ作品へのオマージュが詰まっている」のではなく、ただ「ジブリ作品の名シーンをつぎはぎした」だけの作品。しかも、ただ「つぎはぎ」しただけでなく、「かなり劣化させた上でつぎはぎしている」ので、お話にならない。

例えば、冒頭のシーン。施設から、逃げる赤毛の魔女が、木の枝の先に追い詰められたが、飛んできたホウキに飛び乗って、間一髪で事なきを得るシーン。言葉だけで書くと、非常にドキドキしそうなシーンなのに、実際に見てみると、まったくドキドキしない。もっとギリギリまで敵に間を詰められて、緊迫感を出せばいいのに、中途半端に距離を取ったままなので、別にドキドキしない。もっと木の枝のギリギリまで追い詰められれば、緊迫感を出せるのに、そうでもないので、別にドキドキしない。

宮崎監督の「ラピュタ」。砦の上に追い詰められたシータを、虫みたいな羽根で飛ぶメカでパズーが助けるシーン。シータがギリギリまで追い詰められていくドキドキ感。助っ人がギリギリのタイミング駆けつけるドキドキ感。敵の攻撃をギリギリですり抜けるドキドキ感。ワンシーンだけでも、とにかく「ドキドキ」がいっぱい詰まってる。宮崎監督作品が、いかに計算されていて、いかにセンスに溢れていて、いかに新しい映像美にチャレンジしていたかが分かる。やはり宮崎監督はすごい。

暇つぶし映画。
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