ノラネコの呑んで観るシネマ

いぬやしきのノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

いぬやしき(2018年製作の映画)
4.4
面白いじゃない!
原作はまだ4巻までしか読んでないけど、うまく取捨選択して、実質2時間に無理なくまとめあげてる。
宇宙人的な存在によって、無敵の機械の体になってしまったジジイと高校生、共に孤独を抱える二人が、やがて人類にとって天使と悪魔、いや堕天使になってゆく。
同じ能力を持ちながら、自ら武器となることを選び、日本に宣戦布告する高校生と、ヒーリング能力で不治の病の人々を救うジジイ。
テーゼとアンチテーゼが分かりやすくぶつかり合い、新宿を舞台としたクライマックスも見事な出来栄え。
どちらの葛藤にもベースにこの世界への無常感と報われない優しさがあり、ダークサイドに落ちた高校生もやってることはとことん酷いが、絶対悪にしないのはちょっと「ヒメアノ〜ル」の哀しき怪物を思い出す。
漫画原作のSF作品の中では、かなり成功した作品と言えるのでは。